11月議会 議案質疑 かとう典子議員
医療改悪の後期高齢者医療制度
75歳以上の全ての高齢者から保険料を取り立て
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かとう典子議員は28日の本会議で、一連の医療改悪の一つで08年4月から施行される、75歳以上の「後期高齢者医療制度」について追及しました。
高齢者負担増に追い打ち
今年6月の国会で成立し、2008年4月から発足する「後期高齢者医療制度」は、75歳以上の高齢者を、現在加入している国民健康保険や組合健保などから切り離し、高齢者だけを被保険者とする制度です。
この制度には、高齢者の住民税増税や介護保険料値上げなどの負担をいっそう重くし、かつ、医療から遠ざけることになる制度であり、見過ごすことができません。
年金天引き月々6200円(推計)徴収
かとう議員は、保険料問題を追及しました。後期高齢者一人ひとりに対して、保険料が徴収されることになり、8割以上の方は、介護保険料と同様の「年金天引き」方式で徴収されます。保険料は、6200円(全国平均・推計)とされ、医療給付費の増大に応じて、自動的に値上げされることとなります。この制度のねらいは、後期高齢者を家族の扶養から切り離し、保険料を徴収するためとしか考えられません。また、保険料の滞納者は保険証を取り上げられ、「短期保険証」「資格証明書」が発行されます。こうなれば、お金が無いために医療を受けることができない高齢者が多数生まれることにもなりかねません。
かとう議員は「介護保険で、保険料が高いのは、お年寄りがサービスを使いすぎるからだといって、給付を制限する方向にすすんだ。後期高齢者医療制度でも、給付を抑制する力が強く働いてくる」と指摘しました。
医療の質を落とす危険
診療報酬も大問題です。診療報酬体系を、他世代と「別建て」にし、75歳を過ぎた高齢者には、積極的な治療はやめて、医療給付費をできるだけ抑えようとするものです。かとう議員は「診療報酬を引き下げれば、高齢者の診療は、収入が少なくなるため、医療機関が高齢者を敬遠するという事態が起こりかねません」と指摘し、「後期高齢者医療制度の導入は、高齢者の命と健康をおびやかすものだ」と、松原市長の考えをただしました。市長は「従前加入していた健康保険と比較して負担増となる方がいることは承知している。しかし、国民皆保険制度を今後とも堅持し、将来にわたり持続可能なものとするための必要な改正」と答えました。
広域連合で市民の声が反映するのか
この新制度の運営主体は、県単位で市町村が加入する広域連合です。広域連合議会もつくられますが住民との関係が遠く、高齢者の声が届くしくみをつくる必要があります。かとう議員は「高齢者の生活実態がどのように把握され、高齢者の意見がどのように反映されるのか、また、広域連合議会の市議会への報告等は、どのように保障されるか」と質問しました。 局長は「各種申請や届出などの窓口業務は市町村が担うので、窓口で意見や要望を伺うことになる。この声を広域連合にも伝え、実施状況等は適宜議会へも報告したい」と答えました。
高齢者のくらしを守れ
医療改悪はまだまだ続きます。かとう議員は「保険料の負担が増え、滞納者が増えて資格証明書を発行したら、国民皆保険制度が逆に崩れていく。高齢者の命と健康を脅かす心配は大きい」と指摘しました。