日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2006年11月29日発行

11月議会 議案外質問 うめはら紀美子議員

うめはら紀美子議員は名古屋市議会11月本会議で「苦しまないがん治療」「保育料値上げ」について市長をただしました。

患者負担は300万円・建設費は100億円以上・患者は東海3県から
粒子線がん治療は万能か
保険もきかず、外科手術と生存率は同じ

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市の計画もパブリックコメントも無視

質問する議員

北区に建設されるクオリティライフ21城北(中心は西部医療センター)に、粒子線がん治療が組み込まれようとしています。2004年11月に公表されたクオリティライフ21城北の構想にはなかったものです。

粒子線治療で治療できるがんは頭頸部や前立腺、骨軟部腫瘍など一部のがん、全体の1割です。胃や大腸などの消化管のがん、5cmを超える肺がん、進行性がんなどは不適切です。

うめはら議員は、クオリティライフ21城北はパブリックコメントでの「消化器系だけに集中するのは疑問」という市民の声を「がんに占めるウエイトが大きい」とはねつけ、「消化器腫瘍を重点にする悪性新生物医療を中心におく」としてきたが、どう釈明するのか、とただしました。

県も同等施設を計画するなど数々の疑問

うめはら議員は「早期発見に役立つ健康診査予算などを切り捨てる一方で、粒子線治療だけ力を入れ巨額の税金投入をするのか」「県内に愛知県の支援で民間企業の建設計画があるが、共倒れの懸念もある」「採算性などの費用対効果はどうか」などと追及しました

質問に全く答えられない市長

これに対し市長は、矛盾点などについて答えることができず、「がん患者が多い。苦しまないがん治療が必要」というだけでした。

うめはら議員は、「健康保険がきかないために自己負担が300万円にもなるが、税金で自費診療の治療施設をつくり、一部の市民しか利用できないのは問題である。がんセンターを運営する愛知県や国がやるべきことではないか。これでは市民に理解が得られるはずがない。百数十億円もの巨額の投資となる事業をこのまま進めることは納得できない」と批判しました。

粒子線治療

がんを切らずに治すことが特徴である放射線治療の一つ。広く普及している従来の放射線治療は病巣だけを集中して照射することが難しく、周囲の正常組織への障害が制約要因になっていたが、近年の技術革新でコンピューターによるピンポイント照射も可能になって注目されている。放射線のうちエネルギー密度がより高いのが陽子線や炭素線などの粒子線。それだけ装置が巨大になる。国内に5カ所。

 

保育料の値上げをやめなさい
障害児施設への通園・保育園のように無料に

市民負担押しつけの行政評価

うめはら議員は、市民アンケートの20代〜30代の女性からの「保育料が高く、子育て支援に実感がわかない」などの意見を紹介し、「ワクワクプラン」に示されたように経済的負担の軽減が必要なのに、行政評価では「保育料の水準の見直しを検討せよ」といっていることについて市長の見解を求めました。

市長は「適正な負担水準は、今後も慎重に検討をしていく必要がある」と答えました。

障害者自立支援法によって負担増

障害のある子どもたちが療育センターなどに通うことは子どもの成長や発達にとって大変重要です。しかし、通園のために仕事を辞めざるを得ない事が多く、経済的にも大きな負担となっています。しかも、10月からの障害者自立支援法によって負担が急増しました。しかもこれまで兄弟で通った場合は軽減措置があったのに、それも廃止されました。

うめはら議員は「障害児をかかえる家庭は経済的にも大変だ。保育園について第二子は半額、第三子は無料となるように、療育センターに通う第二子や第三子の負担軽減をすべきである」と追及しました。

まともに答えない異常な市政

局長は「国の制度も踏まえ、この10月から独自に大幅な保護者負担軽減を図った」と無関係なことを答えました。

いづれの答弁も質問にまともに答えられず、市民不在の市政が進められていることを明確に示しました。