日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2006年12月6日発行

11月議会 財政福祉委員会(12月5日)
山口きよあき議員

「税源移譲」を口実に住民税の減免率を引き下げ

年金278万円収入の夫婦世帯で(所得税+住民税)が
04年は非課税(0円)→07年は86,800円に

現行制度なら減税になる

財政福祉委員会で市税条例改正案が審議されました。税源移譲に関連した税制改正で、個人住民税が5%から10%に、所得税が10%の人は5%になります。そのため、低所得者の住民税減税を50%から25%などに半減させるものです。

山口議員は、「高齢者や障害者など、国の増税と負担税に苦しむ人を市として支援することは当然だ」と指摘し、この減免に必要な経費は約4億円、市税総額の0.09%であり「11万5千人の減免を削る必要はない」と追及しました。

所得税と個人住民税の税率改正
課税所得 06年度 07年度 対象者数
所得税 住民税 所得税 住民税
〜195万円 10% 5%(3%) 15% 5% 10%(6%) 15% 57万人
195〜330万円 10% 10%(8%) 20% 10% 10%(6%) 20% 34万人
330〜695万円 20% 10%(8%) 30% 20% 10%(6%) 30% 34万人
695〜900万円 20% 13%(10%) 33% 23% 10%(6%) 33% 5万人
900〜1800万円 30% 13%(10%) 43% 33% 10%(6%) 43% 5万人
1800万円〜 37% 13%(10%) 50% 40% 10%(6%) 43% 5万人

※住民税の()は市民税。対象者は17年度課税ベース。
※06年度の住民税の課税所得は195は200、695は700と読み替える。

 

自民・公明政権の構造改革で大増税なのに

山口議員は、自民・公明の小泉内閣がすすめた大増税、定率減税の廃止などにより、04年度から08年度の負担は単身高齢者(年金261.5万円)は97,800円の増税、夫婦世帯(年金278万円)はゼロから86,800円に増税となることを明らかにし、「所得税と住民税を合わせれば変わらない」という市の説明を批判しました。

所得税と個人住民税(所得割)の負担の変化
(委員会資料より) 04年度 07年度
改正後 現行
単身世帯の給与所得者(年収131万円) 所得税 11,900 7,400 7,400
住民税 4,100 12,300 8,600
合計 16,000 19,700 16,000
夫婦子2人世帯の給与所得者(年収278.7万円) 所得税 0 0 0
住民税 0 1,200 1,200
合計 0 1,200 1,200
単身世帯の年金所得者(年収261.5万円) 所得税 18,400 46,000 46,000
住民税 0 70,200 47,200
合計 18,400 116,200 93,200
夫婦世帯の年金所得者(年収278万円) 所得税 0 33,700 33,700
住民税 0 53,100 36,200
合計 0 86,800 69,900

※年収は、いずれも減免対象となる上限。
※2007年度改正は住民税減税25%、現行が50%。

所得税と住民税負担の推移のグラフ

 

大銀行は空前の大もうけで法人税ゼロ

三菱UFJなど大手銀行六グループは9月期中間連結決算でも、過去最高を更新する最終利益(純利益)を計上しました。しかし、税務上の優遇によりどこも法人税を納めていません。

山口議員は、UFJの8,700億円の利益見込みにきちんと税金をかければ、少なく見ても9億円の法人税が見込めることを示し、「一部の市民への減税は不公平になるといって減免制度を改悪しながら、大もうけしている大企業の税金は免除する。この方がよほど不公平だ。市民は納得しない」と厳しく批判しました。

大手銀行6グループの最終利益
  06年9月中間決算 07年3月決算見込
三菱UFJ 5072億円 8700億円
みずほ 3923億円 7200億円
三井住友 2436億円 5700億円
りそな 4609億円 5600億円
住友信託 639億円 1200億円
三井トラスト 669億円 1200億円
合計 1兆7348億円 2兆9600億円

6大銀行グループの法人税ゼロ期間

※住友信託を除き2007年度以降も「ゼロ」が続きます。