(3月3日)個人質問 黒田二郎議員
このままではまちは殺伐に
大型店の身勝手な出店や24時間営業が激増
−商店街は衰退しコミュニティはなくなる−
黒田二郎議員が2月定例会で行った個人質問の概要を紹介します。 (全文はこちらから(別のページが開きます))
千種区のサッポロビール工場跡地に大型店イオンが出店することになり、昨年11月、大店立地法にもとづく届出が名古屋市に対して行なわれました。商圏の中にはイオン熱田SCがあり、東区にもまたイオンSCが出店されようとしています。黒田議員は「資本の力に物を言わせどんどん出店する大型店は、商店街を衰退させ、まちのコミュニティを破壊し、高齢者が住みにくいまちへと変えていく」と指摘し、市長の見解をただしました。
イオン千種SCは24時間営業です。2000年に大店法が廃止されて、閉店時刻の調整を必要とする規制がなくなり、この5年間に、午後11時以降の深夜営業の届け出は36件で、とりわけ、この2年間に急増しています。今、深夜営業や24時間営業が増えてきたことによって、深夜まで車が行きかい、住民の平穏な生活が脅かされ、青少年への影響が心配されています。黒田議員は、無秩序な出店や撤退、深夜営業を規制するために力を尽くすべきだ」とただしました。市長は「大型店の出店や深夜営業への上乗せ規制はできないので、法律を適正に運用する」と答弁しました。
■なにもできない市長でいいのか
黒田議員は「全国には様々な条例をつくり、努力している自治体がたくさんある。商店街が衰退していることを認識しながら『何もできない』というのでは市民の代表といえない」と厳しく批判しました。
「国民保護法」は撤回を求めよ
戦争にじゃまな住民を排除する法律だ
『武力攻撃事態』、大規模テロ、大規模自然災害の三つをごちゃまぜにし、全体を『緊急事態』として、国民の基本的人権を制約する「国民保護法」が昨年6月に成立しました。わが国を「戦争しない国」から「戦争できる国」へと変えていこうとする有事法制の一環です。名古屋市は「国民保護計画」の作成を義務づけられ、調査費が計上されました。
黒田議員は、「住民避難」は軍事行動を円滑にすすめるための住民排除、「自衛隊との平素から連携・共同の訓練」は平時からの戦時訓練、「自主防災組織等の自発的な協力」は戦争を前提とした国からの指示での行動――などの問題を明らかにし、「国民保護法」の凍結・撤廃を国に言うべきだと求めました。市長は「防災対策と同様、名古屋市国民保護計画の策定を進める」と答弁。黒田議員は、「国が決めたことだから、そのままやるしかないという市長の姿勢は、平和を守りたいとする市民の気持ちに真っ向から挑戦するものだ」と厳しく指摘しました。
戦争協力計画作成の基準となる「国民保護に関する基本指針」要旨
●発動される事態として、(1)着上陸侵攻(2)ゲリラや特殊部隊による攻撃(3)弾道ミサイル攻撃(4)航空攻撃(爆撃)―を設定。核攻撃を受けた場合も想定。
●指針はこれらのケースで自治体等がとるべき措置を提示。核攻撃の場合では、避難の仕方や、救護班の編成などの態勢整備について詳述。自治体と自衛隊について、「平素から連携体制を構築」「共同の訓練の実施等に努めるものとする」とし、平時から自治体が自衛隊とともに“戦時体制”を整えることを求めています。
●その他、警報内容の速やかな放送(NHKや民放などの放送事業者)、臨時回線の設定(NTTなどの電気通信事業者)、救急患者の搬送体制の確保(日本赤十字社などの医療事業者)、旅客誘導などによる秩序の維持(鉄道、トラック、バス、海運、航空各社などの運送事業者)、物価統制(自治体)などの措置も求めるなど、戦時体制をしくもの。
●「防衛計画の大綱」も、「本格的な侵略事態生起の可能性は低下」と指摘。想定した事態になりうるのは、米国が日本を足場にアジア太平洋地域で軍事介入した場合です。
(注)戦争協力計画…「国民保護法」にもとづく「国民保護計画」と「国民保護業務計画」。